私たちはいまノルウェーのオスローに住んでいます。
以前はオスローから約 70 km 離れたコングスベルグという小さな町に、9 年間住んでいました。
デンマークで生まれ、ロンドン、ノルウェー、フランス、アメリカ、日本、そして再びノルウェーとデンマーク。
これまで移り住んできた場所を振りかえると、ある意味で私たちは少し落ち着きがなかったのかもしれません。
夫ゲイルの仕事の都合という事情もありましたが、何か新しいことを試してみたかった、海外の生活を見て経験したかったのだと思います。
ノルウェーから、私たち家族 4 人はパリ近郊のフランスに 6 年間、それから娘たちを母国に残して、夫のゲイルと私だけでアメリカ カリフォルニアに 3 年近く住みました。
最後に、 ゲイルは4年間日本に単身赴任しました。
私は、看護師の仕事を続けるためにノルウェーにいなければなりませんでしたので、休暇をとって何度かゲイルの住む日本を訪れました。
幸いなことに長い休暇がとれて、2度ほど、5 か月と 8 か月の長期滞在ができました。
日本滞在中に、ケアリングデザインの吉田紗栄子さんと出会って、ここに私のライフ・ストーリーを発表する機会を得た訳です。
デンマークで基本的な看護トレーニングを受けて以来、海外滞在期間と産休期間を除いて、私はデンマークとノルウェーで、看護師としてずっと働いてきました。
2人の子どもと夫のいる身でしたが、フランスへ移住する前には、集中治療看護師としての特別なトレーニングも受けました。
移住先のフランスでも病院に就職しようとしましたが、非常に難しかったので、フランス滞在中はこの地の文化を勉強することに決めました。
もちろん子どもたちの世話も!これは最重要課題ですからね。
何年も病院で働いた後、ノルウェーでは、移民や亡命希望者をサポートする仕事に就きました。そこでは、主に感染症に関わる管理と旅行者の予防接種を担当していました。
いつも自分の仕事は大好きでした。
年を重ねるにつれて、働く人生こそが私のすべてだったのだと思うようになりました。特にここ 1~ 2年は、仕事が私のすべてを占めていましたから。
デンマークの定年は65歳。
ノルウェーは67歳ですが、看護師は65歳定年なので、66歳になったとき、私は退職することを選びました。
働くことがすべてだった私の人生を、まったく別の生活に変える。
自分で下したこの決断に、とても満足しています。
いま、私は、自分の生活をすべて自分で決めることができます。
そんな劇的な変化をもたらすには、ある程度の心構えが必要でしたけれど。
リタイア後の私は、毎週のアクティビティを計画します(時間の無駄を避けるためでもあります)。
一方で、訳もなく自分にストレスをかけることもありません。
週に 2 回、健康を維持するために、コーチと一緒にエクササイズをしています。エクササイズは、年齢を問わず、健康維持には重要です。
また、社会的な関わりもとても重要です。
街や、我が家で、昔からの友人としょっちゅう会い、映画館・劇場・美術館に出かけ、時々買い物も楽しみます。
これが私のリタイアライフです。