3LDKの中古マンションを事務所兼住宅に【50代リフォーム:95】

自宅で編集の仕事をしているSさんは、賃貸マンションでひとり暮らしでしたが、交通の便の良い所に中古マンションを購入する決心をしました。50代という年齢も考慮して、これから住み続けるために、バリアフリーにリフォームしたいと設計を依頼されました。


■設計のポイント

●アートに近い手すりを取り付ける

住まいと仕事場の共存がテーマでした。
仕事上の来客も多いので、玄関に初めから手すりをつけるべきかどうか悩みました。結局、アートに近い、手すりらしくない手すりを取り付けることで、玄関としての格も上がるという解決策をとりました。腰痛持ちの施主は、普段から重宝しているようです。

手すりの形もいろいろ

●床の段差をなくし、天井高を260㎝の高さに

このマンションは、床が二重になっており、上階のコンクリートスラブから30㎝ぐらい下がった所に天井が張ってあったので、いろいろな可能性が考えられました。
床はすべて段差をなくし、リビング・ダイニングは従来の天井高230㎝を260㎝に上げることができ、空間が大きく広がりました。リフォームできない玄関扉とサッシを除き、建具はすべて210㎝の高さにしました。

慎重に選びたい床材

●住まい兼仕事場としての動線と空間設計

オープンキッチンを少し移動し、独立型のキッチンとしました。仕事場としても使うリビング・ダイニングから生活色を薄めることができました。収納を充実させることにより整理しやすくなり、片付けが楽にもなりました。水廻りは、リビング・ダイニングからも寝室からも直接行けるような動線を確保しました。寝室は友人が泊まれるようにソファベッドを置くスペースをつくりましたが、ふだんはプライベート空間として、くつろぎの場となっています。

寝室のことはどこまで考えておきますか

3LDKだったもとのプランから、仕事場とプライベートの場とに分けた、シンプルで広々とした空間を手に入れたSさんは、仕事もプライベート生活も快適そのもの。訪ねてくる人たちに羨ましがられています。このリフォームを見て、リフォームに踏み切った友人も多いとか。やり方によってガラリと変わるリフォームの威力をいかんなく発揮した例といえます。


リフォーム事例【集合住宅】ファミリータイプ(3LDK)→事務所併用住宅(1LDK)

家族構成:独身女性(50代)
工事面積:70㎡
構  造:鉄筋コンクリート造10階建て
所在地 :東京都
工事内容:間取り変更、内装工事・カーテン/ブラインド、システムキッチン/浴室/洗面/トイレ、電気工事(照明・コンセント)


 

※事例:エス・オウ設計事務所
※写真はイメージです。
吉田紗栄子、寺林成子著『50代リフォーム 素敵に自分流』(財団法人 経済調査会)より
PHOTO©MANZO NIIKURA PHOTO/NEOVISION /amanaimages
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