室内空間を構成する要素に、床、壁、天井の仕上げ材があります。
仕上げ材の中でも特に気を付けなければならないのが床材。床材は一度敷いてしまうと、取り替えるのが大変です。物をすべて移動しなければならないからです。50代リフォームで床の取り替えをしたら、このときに選んだ床で長く生活することになると思った方がいいしょう。後悔のないよう、念には念を入れて選びたいものです。
50代になって、つまづきやすくなったと感じたことはありませんか? ちょっとしたことで骨折してしまう女性が多くなるのも、この年代以降です。これは、誰にでも起こり得ます。消費者庁の発表によると、65歳以上の高齢者の転倒場所の48%が自宅です。
→消費者庁:10 月10 日は「転倒予防の日」、高齢者の転倒事故に注意しましょう!
室内の不要な段差を取り除く作業も含め、安全な床材を慎重に選ぶことが大切です。見本を取り寄せて、滑りにくい素材を選びましょう。水を使う場所の床材を選ぶときは、実際に水を垂らして確認するくらいの慎重さがほしいものです。
転んだときにケガをしにくい仕上げ材を選ぶのもひとつの方法です。クッション性のあるタイルカーペットやコルクタイルなどです。
そのほかに注意したい点は、一戸建ての場合は階上に使用する床材の遮音性を高めることです。遮音性については、L-45などのL値で示される基準があり、カタログに表示されていますので、ひとつの目安としてください。数値が小さいほど、遮音性が優れています。特にマンションの場合は、管理組合の規約で、実際の数値を定めているところもあるので、事前に確かめましょう。また、加齢による聴覚の変化を考える必要もあります。
床暖房をする場合は、床暖房対応の材料を使うこと、掃除がしやすいか、補修がしやすいかなどの点に気を付けて選びます。それぞれの材料の長所・短所を知り、部屋の使い方に合った床選びをしましょう。以下に記載した「床材の性能表」を参考にしてください。
仕上げ材、下地材とも、有害物質の含有量の少ない素材を選びます。通常F☆☆☆☆という記号で表され、星の数が多いほど、含有量は少なくなります。
家の中にある小さな段差は、この際取り除いておきましょう。床材の厚みは、材料によって異なります。床材を2種類以上使う場合、接点の段差がどうなるかについても事前にチェックしておきましょう。
小さな段差の解消は下地から考えていかなくてはなりません。床材を張ってみたら段差ができていたなどということのないようにしましょう。また、加齢と共に視覚が衰えてきます。床材の色についてもよく考えたいものです。