CARE × DESIGN 変化する五感をケアするために
一般社団法人ケアリングデザインは、株式会社フージャースケアデザイン様が提供するシニア向け分譲マンション「デュオセーヌ国立」のコンセプト&デザインを手がけました。今回は、そのコンセプトと内容を紹介してまいります。
コンセプトとデザインは、年齢とともに変化する五感のケアとサポートをさりげなく施した、心地よく美しいすまい。デュオセーヌ国立は、いつまでも自分らしいくらしができる集合住宅として、「住むことですこやかになるすまい」をテーマとしています。
日々のくらしを支える たいせつなすまい
あなたの今日をまもり
あなたの明日をつくるための
いまこのときを大切に生きるくらし
住むことで 心もからだも すこやかになるすまい
デュオセーヌ国立は そんなすまいをめざします
【今】LIVE + ing 自分らしく生きる
明日のあなたは、今日のあなたがいまどういう生きかたをするか、で決まります。その人らしいくらしかたで、充実した毎日を過ごす。やりたかったことに挑戦する。健康のためにできることをする。日々の食事をおいしく味わう。家族や友人とひとときを過ごす。ひとつひとつ、いましかできないことを大切にしながらていねいにくらす。デュオセーヌ国立は、いまという時間を大切にして、自分らしく生きる大人のためのすまいです。
【考】MODERNISM 武蔵野モダニズム、誕生
デュオセーヌ国立のデザインコンセプトは、スカンジナビアモダンデザインと日本美・武蔵野を掛け合わせた、「武蔵野モダニズム」。武蔵野の自然の中に佇む、現代的な表情の集合住宅として、そこかしこに「武蔵野モダニズム」を感じるデザインが施されています。エントランスホールには、左官職人 久住有生氏による武蔵野の地層を表現したアートワークが、来客者を包み込むようにお迎えします。
左官職人 久住有生 http://www.kusuminaoki.com/
1995年、23歳の時に独立し「久住有生左官」を設立。重要文化財などの歴史的価値の高い伝統建築物の修復・復元作業だけではなく、商業施設や教育関連施設、個人邸の内装や外装を手がけることも多い。どの現場でもその土地の暮らしや自然を意識しながら、土や材料を選び、ときには地元の暮らしの調査をしてから工事に入るなど、それぞれの風土も大切にしている。
【美】ART 武蔵野の風景とともに
四季ごとにさまざまな表情を描き出す、武蔵野の豊かな自然。デュオセーヌ国立の館内に展示された写真作品全七十七点はすべて、写真作家 日出真司氏が、一年半もの期間をかけて撮り下ろした武蔵野の風景シリーズ「武蔵野の息吹」です。写真家の感性によって切り取られた武蔵野の風景は、各フロアのアイデンティティを表現し、わかりやすい動線(ウェイファインディング)としての機能も併せ持っています。
フロアのテーマ:5F 空/4F 樹木/3F 草花/2F 水辺/1F 大地
写真作家 日出真司 http://hiph.jp/
1962年東京生まれ。静物の存在意義をグラフィックデザイナーの感性で表現する写真作家。個展等の作品発表の他、インテリアデザイナー、建築家等とコラボレーションし、空間コンセプトにあわせたアートワークも数多く手掛ける。主なコレクションとして、ホテルオークラ東京、東京ガーデンテラス紀尾井町、パレスホテル東京、フォーシーズンズホテル北京など。
【景】LANDSCAPE 心地よい庭づくり
緑に囲まれたデュオセーヌ国立は、季節とともに移り変わる自然を大切にしています。地域に開かれた敷地内の「欅ガーデン」では、建物の竣工とともに、武蔵野の雑木林を育んでいく予定です。ラウンジや多目的室から眺めることができるスモールガーデンのほか、建物のエントランスに通じる出入口には、菜園や花壇のあるレイズドベッドをご用意し、四季ごとの自然が楽しめる心地よい庭をデザインしています。
【憩】HYGGE お気に入りの場所を見つけて
デンマーク語の「ヒュッゲ(HYGGE)」とは、人と人とのふれあいから生まれる、あたたかな居心地のよい時間や空間のこと。デュオセーヌ国立では、プライベートな住居はもちろん、共用部分にも、家族や友人と一緒にゆったりと過ごせる「ヒュッゲ」な空間や場をいくつも設けています。居心地のよいラウンジ、ライブラリーソファ、レストラン、プレイラウンジ、ビリヤードラウンジ、ガーデンなど、その時々でお気に入りの場所を見つけることができます。
【交】COMMUNE その日の気分で選べるつながりかた
これまでの集合住宅のように、プライベートとコモンスペースをはっきりと仕切るのではなく、住居としてのプライベートスペースから、セミプライベート、セミコモン、コモンスペース、地域に開かれたレストランや欅ガーデンなどのオープンスペースまでが、ゆるやかなつながりを保ちながら回遊できるようになっています。ときには住民と、ときには地域ともつながる。その日の気分で、さまざまな居場所を見つけて過ごせるくらしが実現しました。
【感】FIVE SENSE 五感の変化にあわせて
年齢を重ねるとともに変化していく、私たちの五感と心。その変化に応じて、すまいもまた変わっていきます。シニアの目に見やすい色彩、触感や素材感を大切にした壁や床のマテリアル、光の柱や各フロアのアート作品と、誰の目にも伝わるオリジナルピクトグラムによるわかりやすい動線(ウェイファインディング)。さまざまな面で、五感と心に配慮し、美しいデザインでくらしをサポートします。
関わっていただいたすべての皆様のおかげで、本プロジェクトはこの度2020年度グッドデザイン賞を受賞することができました。
事業主:株式会社フージャースケアデザイン
コンセプト&デザイン監修:一般社団法人ケアリングデザイン
コンセプト&デザイン:小野由記子 小野意匠計画
建築意匠:山﨑壮一 山﨑壮一建築設計事務所
インテリア:原井順子 SCORE
住戸プラン:吉田紗栄子 ケアリングデザインアーキテクツ
直町常容子 直町建築設計室
照明監修:手塚昌宏 ヘルスケア照明デザイン研究所
ガーデン:正木 覚 エービーデザイン
グラフィック:野口正治 ノグチデザインスタジオ
建築写真:平賀新治 secondwind
コピー:西川公子 edit24デュオセーヌ国立 http://www.duoscene.jp/kunitachi/
所在地:東京都国分寺市西町一丁目31番1号
用途地域:第一種中高層住居専用地域
敷地面積:9,874.73㎡
建築面積:4,698.40㎡
建築延床面積:18,899.30㎡(このうち容積率対象面積15,006.15㎡)
構造・規模:鉄筋コンクリート造 地上5階建
総戸数:228戸(分譲住戸219戸、非分譲住戸9戸)
施工:株式会社長谷工コーポレーション
協力:株式会社リエイ
協力:株式会社日比谷花壇
協力:株式会社丸善ジュンク堂書店