根強い人気の和室【50代リフォーム:67】

和室は少なくなっているとはいえ、畳に対する郷愁を持ち続けている人も少なくありません。

50代リフォームで和室復活というケースもあります。和室は多目的に使えるので、工夫次第で生活にあった便利な空間になります。リビングと続ければ多くの来客に対応できますし、いずれ子ども家族が泊まる部屋になるかもしれません。

和室は、趣味の書道や活け花などを飾る場所や仏壇を置く部屋としても重宝します。あまり従来の和室の形式にとらわれず、使い方をよく考えて新しい和室の空間をつくってみてはいかがでしょうか。

リビングの一室に正方形の琉球畳を並べたり、箱型の畳ボックスを何個か用意するという手もあります。このような置き型の畳は、部屋の用途が変われば取り外せるメリットがあります。

以前ご紹介した「八潮のシニアリノベーション」では、畳ベッドを提案しました。ふだんはソファとして利用してコンパクトに畳を楽しむことができます。

八潮のシニアリノベーション。畳ベッド。(設計・デザイン:小野由記子、山崎壮一、吉田紗栄子)

八潮のシニアリノベーション。玄関に入ってすぐの和室。最近の畳は色も種類も豊富です。(設計・デザイン:小野由記子、山崎壮一、吉田紗栄子)

リビングに十分なスペースがあれば、「くらしのデザイン展2018」で紹介した組立和室「障子結界庵」を、リビングに設置するRoom in Roomという考え方もあります。

組立和室「障子結界庵」 PHOTO:Miki Chishaki

横浜の家。リビングダイニングの隣室(元和室)に、畳敷きの小上がりベッドを置いた例。

改装でも新設でも、和室の段差をなくしておくと、いざというときに役立ちます。逆に和室の床を30〜45㎝程度上げる案もあります。腰かけにもなるし、掘りゴタツにしたり、床下に物を収納できるメリットもあります。ただし、30㎝以上の高さに上げる場合は、畳の面まで上がるときに必要な手すりをつけたり、一段踏み込みを設けるなどの工夫が必要です。畳を上げる場合は思い切って30㎝以上の高さに上げる方が、段差が目立って安全だと言えます。畳の面が高くなっていると、椅子に腰かけた人と、畳の上に座っている人の目線が同じ高さになって、会話しやすくなります。

和室を天井照明にする場合は、寝てからも点滅ができ、明るさを調節することができるリモコンタイプがおすすめです。

 

吉田紗栄子、寺林成子著『50代リフォーム 素敵に自分流』(財団法人 経済調査会)より
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