障がいのある方たちは、超高齢社会の水先案内人と言われています。
車いすの方のお宅を設計するとき、「玄関横に水道を引いてほしい」とおっしゃることがよくあります。これは、外出から帰って来て、家の中へ入る前に車いすの車輪の汚れを拭くためです。
新コロナウイルス感染症対策の大きな柱に、手洗いの徹底があります。
玄関近くに水場があって、そこで手洗いができれば、ウイルスを家の中に持ち込むリスクが軽減されます。いままで意図していなかった使い方ですが、これからの住宅の設計に取り入れるとよいと思います。
ル・コルビュジエは、1929年に設計したフランスのサヴォア邸で、玄関ホールの支柱の隣に手洗い用の流しとテーブルを設置しています。これは共有の場で手を洗い清潔にするための目的から考えられています。Houzzの「絶対に知っておきたいモダニズムの傑作住宅:サヴォア邸」というJohn Hill氏の記事で、コルビジェのサヴォア邸が紹介されていますので、詳しくはそちらをご覧ください。
Houzzの「サヴォア邸」記事に、廊下写真が紹介されています。以下の写真のちょうど右奥の柱の隣に手洗い用の流しが設置されています。
– 廊下の写真はこちら – Houzz
玄関外にある水場は、植木の水やりや汚れた靴を洗ったりするのにも便利です。ちょっとしゃれた流しや水栓を使って、玄関先のアクセントにするのもよいかもしれません。
また、障がいのない方でも、もともときれい好きな方が、玄関近くや廊下などに手洗い専用の水場を望まれることもあります。これも参考になります。
#StayHomeStayComfortable