2014年に開催した『Good Over 50’s くらしのケアリングデザイン展2014』で、「家具のようなキャビネットキッチン」をデザインして提案展示しました。
これは、「新しい同居のかたち」をご提案した「榎本家のリノベーションストーリー」の中の1シーンで使ったものです。
榎本家のリノベーションストーリー
自立志向の高齢の母と同居を始める50代後半の夫婦のリノベーション。郊外の一軒家の庭先に母の「はなれ」をつくります。気配で見守る、程よい距離感のある同居のかたちです。
◯ 「はなれ」と母屋の間にテラスとバスルームを設けて適度な距離をさりげなく確保するすまい
◯テラス、庭の自然とつながり、日々の時、季節の変化を楽しむすまい
◯バリアフリーで安心。テラスからのアクセスで友人とつながるすまい
◯集うことと家族一人一人の時間を両方楽しめるすまい
を実現しています。「家具のようなキャビネットキッチン」は、高齢のお母さまが、自室で使えるコンパクトなキッチンとしてデザインしました。
「家具のようなキャビネットキッチン」は、ワンルームマンションのミニキッチンのように思う存分料理ができない簡素なものではなく、コンパクトながらもきちんとしたキッチン機能を持たせ、お料理をしたいときのワクワク感やインテリアとしての美しさも兼ね備えました。食の楽しみは手放したくない、けれどミニマルに暮らしたいというニーズにぴったりです。
将来のシニア期の暮らしをミニマルにしていきたい、手入れや片付けが大変だから一箇所にコンパクトなキッチン機能を集結したいとお考えのGood Over 50’sもいらっしゃいます。
また、コンパクトなキッチンとベッドのあるひと部屋があれば、今回の新型コロナウイルス感染症や毎年流行するインフルエンザのように、自宅で家庭内感染を防ぐために、1人で自室に自主隔離しなければならないケースにも対応できます。
超高齢時代のいまだからこそ、こうしたスタイルのキッチンも必要になっていくのではないでしょうか?
「家具のようなキャビネットキッチン」
基本デザイン :小野由記子(ケアリングデザイン代表理事)
実施デザイン・制作:ip20 Einrichten:エスプリブラン株式会社