身体を支える手すりには、2つのタイプがあります。座った姿勢から立つときにしっかりと握る「グラブバー」と、手を這わせて目的のところへ導く役割の「ハンドレール」です。前者は浴室やトイレ、後者は廊下や階段などにつけます。
「グラブバー」は、円形で握りやすい太さ(径3㎝前後)にして、握ったときに冷たくない材料にします。「ハンドレール」は、少し太め(径4㎝前後)の円形か、上部が平たい型を用います。
手すりの高さは、一般的には床から80㎝といわれますが、個人差があるので、使う人の身長や身体の状態をみて決めるようにしてください。腰骨の高さに揃えるのが目安です。手すりをしっかりと固定させるために、壁に下地材を入れますが、この下地の位置をあらかじめ検討することが大切です。下地は、手すりの高さから下に最低15㎝くらいの幅が必要です。
手の甲が当たらないように、手すりと壁の間は、3〜5㎝くらいあけます。さらに壁に手が触れれもケガをしないようにザラザラした壁材は避けます。また、手すりの端に服の袖口を引っかけないように、手すりの端は壁や床の方向に90度折り曲げたデザインにします。
家中を「手すりだらけ」にしないよう、デザインや色を工夫してみてください。手すりを住宅内部のアクセントにする方法や、既存の手すり製品にとらわれずに、家具の縁を利用するなど、さりげなく安全に身体を支える方法も検討してみてはいかがですか。
「くらしのデザイン展2020」の展示で好評だったユニオンの「ハンドバーHG-1」は、「グラブバー」タイプです。
洗面カウンターに手すりがついたタイプも便利です。こちらは、以前ケアリングデザインが手がけた「八潮のシニアリノベーション」でも取り入れました。
【手すりの基本寸法】