50代は、年配者を招く際に不自由を感じさせないことを、住まいの基準にしてもよい年代です。また、自分たちの介護が必要になってから、バリアフリーにリフォームするのは大変です。なぜなら早急にリフォームしなくてはなりませんので、自分で打ち合わせに参加しにくい、荷物の片付けが大変、時間がない、資金計画も立てられないなど、問題が山積みだからです。50代でリフォームするときにバリアフリーについて知っておくことは損にはなりません。
では、なぜバリアフリーが必要なのでしょう。
高齢になると、身体全体の機能が衰えてきます。筋力、骨、関節の低下、バランス感覚の衰え、運動神経の伝達速度の低下など。弱った機能を建物側で補うには、段差をなくす、クッション性のある仕上げ材を選ぶ、手すりをつけるなど、大きな事故につながらない手当てが必要です。
内臓機能が低下すると、呼吸や消化機能などに影響が出てきます。階段の上り下りが負担になったり、頻繁にトイレへ行きたくなります。それに応じて階段の勾配やトイレの位置を考えなくてはなりません。
視覚、聴覚、嗅覚、触覚なども衰えてきます。採光や照明、色の識別への配慮、高音が聞き取りにくくなるので、居室の電話やチャイムの位置の検討、そしてガスの事故や火傷などを未然に防ぐ工夫が必要です。
本当に身体が不自由になったら、状況に合わせて小さな改修で対応します。介護保険や障害対応の助成が受けられる場合もあります。
詳しくはこちらの記事もあわせてご覧ください。
→避けられない身体の変化【50代リフォーム㊼】
※参考:東京都が、家庭内の「ヒヤリ・ハット」経験5,610件の事例および家族等が実際に施している事故防止のための工夫1,869件をまとめた事故防止ガイド(PDFでダウンロード可能)。こうした資料に目を通しておいて、リフォームを検討するのもオススメです。
→東京くらしWEB>「高齢者の家庭内事故防止見守りガイド」を作成! 一人及び二人暮らしの高齢者の見守りについて調査しました