最近のシニア向けの雑誌というと、健康や貯蓄・保険の話が主流。もちろん現実的な情報は必要だけれど、Good Over 50’s世代としては、人生の先輩のすてきな暮らしや住まい、生き方を知りたいもの。
これからの人生のお手本になるような先輩たちの話を聞きたい。そんな気持ちに応えてくれる上質な雑誌が『つるとはな』です。
2014年の創刊以来、1年に1〜2冊のペースでゆっくりと発行されてきて、現在第5号。発行頻度は少ないですが、その分だけ読み応えのある内容になっていて、ときどき書棚から好きな号を取りだして、また好きなところを読む、そんなお気に入りの書籍のような存在となっています。
エディトリアルデザインもとても美しく、毎号表紙に載せられた1〜2行の抜き書きコピーが、内容を想起させるものとなっています。
たとえば第5号の表紙には、「私の悩み? 食べちゃった」「夜なんて いくらあっても 足りないの」。第3号の表紙には「年をとった犬とは わかりあえるの」。どの記事に、この言葉が載っているのかな?と思いながら読みすすめるのも楽しいものです。
第3号で「年をとった犬とは わかりあえるの」と言ったのは、フランス文学者の故・澁澤龍彦氏の妻・龍子さん。老いた柴犬・ぼたんとの暮らしについて語った記事からの抜粋でした。
そういえば、ミナ ペルホネンの皆川 明さんの青山スパイラルカフェのお店「call」のオープンを知ったのも、『つるとはな』第3号の広告からでした。中綴じにされた「call」の求人募集広告に、「年齢は問いません。人生経験豊富な方、心が健康で100歳! 大歓迎です」とあったのも画期的でした。
国連の発表によると、2050年には全世界人口で6人に1人が65歳以上の高齢者になる見通しだとのこと。年齢不問の求人募集は、これからあたりまえのことになっていくのではないでしょうか。
さまざまな気付きを与えてくれる『つるとはな』。次号を楽しみに待ちたいと思います。