聴覚の老化は、40歳代からはじまります。特に高周波音が聞きづらくなります。
楽器でいえばフルートのような音が聞きにくくなります。この状況は大声で話すことで補えるものではなく、高齢の人ではよけい聞き取りにくくなります。騒音のある場所では、特に影響があります。
聴力の低下は自信を喪失させ、一生懸命聞こうとすると身体的に疲れ感情的に憔悴し、苛立ちや怒りにつながります。
静けさや音を楽しむ環境をつくるには、
・音を伝えない遮音
・音を吸収する吸音
・音を入れない出さない防音
の3つのポイントから考えます。
静けさをつくるカーペット、コルクタイル、畳は吸音性に優れています。カーテン、テキスタイルなどにも吸音効果があります。緩衝材の裏打ちをした床材、壁材なども有効です。
音を楽しむ
「好きな音楽」を歌ったり聴いたりすること自体が、認知機能を高める上で効果的です。
最近の音楽生理学の研究によれば、好きな音楽はホルモンの安定に貢献するとされています。
高周波、特に3500ヘルツ以上の周波数の高い音は神経系に好ましい刺激を与え、それが精神・生体機能に良い影響を及ぼします。モーツァルトの音楽には豊富な高周波を含む曲が多いといわれています。
外界にいかにも朝らしい音を立てさせると、この時をもって朝とするような生体リズムが生まれ、体内時計が修復されます。
>ケアリングデザインが考える五感アプローチについてはこちらの冊子でご紹介しています。
Drawing: Hanako Yoshida
Photo:Miki Chishaki
>五感の変化①
>五感の変化②:視覚
>五感の変化③:光
>五感の変化④:色
>五感の変化⑤:聴覚
>五感の変化⑥:嗅覚
>五感の変化⑦:味覚
>五感の変化⑧:触覚
>五感の変化⑨:体温