世界一長い7日間

こずえ様。

単身赴任から3ヶ月たちました。40歳を過ぎての初体験はきついだろうと覚悟していましたが、炊事や洗濯などの家事はむしろ新鮮で、何がいちばんつらいかと言えば、やはりひとり暮らしの孤独という答になるでしょうか。

今日のようにぬけるような青空の休日は、子どもたちがそばにいない寂しさがひとしおです。

部屋に射しこむ陽ざしも、人の胸まではあたためられない、などと君に笑われそうな感傷に浸っています。皮肉なことに、家族を強く感じる場所とは、家族がいない場所であると、この歳になって知りました。

来週初めての帰京です。なんと待ち遠しいことでしょう。今週の僕は、おそらく世界で一番長い一週間を味わう男になりそうです。

この記事をSNSでシェアする

関連記事

ただいまのあとにのイメージ

転校生の悲しみ

岩崎 俊一
引っ越しの日の朝、12歳の息子が荷物の消えた自室を塵ひとつ残さず掃除し、最後に思い出の詰まった部屋に...

目が幸せな家

岩崎 俊一
ここは目が幸せなマンションだね、と窓辺でしみじみと父が言う。 引越しをして2ケ月。 父母が来るのは3...

世界一長い7日間

岩崎 俊一
こずえ様。 単身赴任から3ヶ月たちました。40歳を過ぎての初体験はきついだろうと覚悟していましたが、...